大和三田会の新田義孝君がこの度出版をいたしましたので、そのご紹介をさせていただきたいと思います。
日本マクロエンジニアリング学会という小さな学会で世界をどうする、日本を技術でどう発展させる?という議論を永年やってきました。
武蔵野市をひとつの高層巨大ビルに閉じ込めて市域に自然と農業を取り戻す構想、青函トンネルを構想から練り上げたエンジニアの話、海面下に海水の圧力を利用して圧縮空気によりエネルギー貯蔵を行う構想、リニア新幹線のもとになるリニア鉄道を発想した元副会長の話、そういった話が飛び交うなかで、この学会の運営を事務局長、企画委員長、理事長、会長としてやってきましたが、理事長を引き受けたころから、実績のある先達たちが相次いで他界され、マクロエンジニアリングという言葉は死語になってしまいました。
この本は私が永年温めてきた、あるいは日経産業新聞などのコラムで開陳してきたアイディアを、取り纏めたものです。
私が本を書くのは、おそらくこれが最後になると思います。
思えば福沢翁の脱亜入欧、松永安左エ門翁の産業計画会議による数々の巨大プロジェクト提案など、慶應義塾には祖国日本を支えてきたマクロエンジニアリングの歴史があります。
その末席を汚すには、とうてい至りませんが、これから研究者を目指す人たちには、是非とも読んで戴きたいとおもい、厚かましくも、この場をお借りして拙著を紹介させて戴きます。